「検討」と「見当」


検討と見当は、はっきりしない先のことについて考えるという点で共通するものの、全く意味の違う言葉である。

検討の意味は、十分に調べて良いか悪いか考えること。
「検討を重ねる」「検討を加える」などと使い、類語は「吟味」や「分析」である。
取引先との会話で「検討する」「検討してみます」と言われた場合は、実際に良し悪しを考える意味で使うこともあれば、その場では断りづらく答えを先延ばしするために、「一応、考えておきます」の意味で使われることもある。

見当の意味は、はっきりしないことについて大体の予想をすること。
「見当をつける」「まるで見当違い」などと使い、類語は「目星」や「見込み」である。
見当は予想することのほか、大体の方向や方角、大体の数量、 版画や印刷などで、刷る紙の位置を決めるための目印といった意味もある。

「検討」はじっくり調べた上で考えることを意味するが、「見当」は考えるといっても調べることをしない大体の勘を意味する。
先のことを考える際の「検討」と「見当」の使い分け方は、どのようにするのが最良の方法か考えるのが「検討」で、どのようになるのか予想するのが「見当」である。

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