「王将」と「玉将」


一組の将棋駒で、「飛車」「角行」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」「歩兵」は両者一対となっているが、「王将(王)」と「玉将(玉)」だけは、それぞれ1枚ずつしかない。

王将と玉将は、大将・主将に相当するため、「玉将」は「王」に点を付けたものと思われがちだが、元々は「玉将」しかなく、「玉」から点を取ったのが「王将」である。
王将が生まれた由来は不明だが、「玉」と「王」の字が似ているため一方を「王」にしたとする説や、豊臣秀吉が「王でないと気に入らない」「王は一人でよい」と言って一方の点を取ったなど諸説ある。
「玉」は宝石を表す言葉で、他に「将」が付く「金将(金)」と「銀将(銀)」も、宝物に通じる言葉が使われている。

王将と玉将の駒の動きに違いはなく、同じ機能の駒である。
慣例として、上位の者が「王将」、下位の者が「玉将」を使うという違いはあるが、先手と後手の決め方は振り駒であるため、王将と玉将で先手・後手が決まることもない。

上位者と下位者以外は、将棋を進める上で王将と玉将に違いはなく、あるのは下記のような表現上の違いである。

棋譜の読み上げでは、「王将」も「玉将」も「ぎょく」という。
自分側の王将(玉将)を「自玉」、相手側の王将(玉将)を「敵玉」という。
棋譜・局面図に「王」を使うと、どっちがどっちを向いているか分かりにくため、王将も「玉」で表す。
「王手」と言うが「玉手」とは言わない。
将棋のタイトルに、「王将戦」はあるが「玉将戦」はない。

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