事典や字典を含めた総称として「辞典」や「辞書」と呼ぶ場合もあるが、「辞」「事」「字」のそれぞれの文字に意味の違いがあるように、本来は使い方にも区別がある。
辞典の「辞」の字には、「言葉」という意味がある。
辞典は言葉を集めて配列し、意味や発音、文法や例文などを解説したものをいい、他と区別するため「ことばてん」とも呼ばれる。
辞典には「国語辞典」「英和辞典」「古語辞典」などがある。
事典は事物や事柄の知識を集めて配列し、内容を詳しく解説したものをいい、他と区別するため「ことてん」とも呼ばれる。
事典には「百科事典」「歴史事典」「科学事典」などがある。
字典は漢字などの文字を集めて配列し、読みや意味、用法などを解説したものをいい、他と区別するため「もじてん」とも呼ばれる。
字典には「書体字典」「かな字典」などがある。
「IT用語辞典」と「IT用語事典」、「経済用語辞典」と「経済用語事典」のように、専門用語を扱う「じてん」には区別が曖昧なものもあるが、言葉の定義の解説が中心であれば「辞典」、事柄の内容の解説が中心であれば「事典」が使われる。