「予言」と「預言」


予言と預言の使い分けは、漢字の意味を正しく理解している人ほど間違えやすい。

予言とは、未来のことを予測して言うことや、その言葉。
預言とは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの啓示宗教で、神から預けられた言葉を人々に伝えることや、その言葉である。

予言は大災害や事件・事故などの予知をする占いやチャネリングといったオカルト的分野のほか、科学的データに基づいた予測など、使われる範囲は広いが、預言は宗教に限って使われる。
「ノストラダムスの大予言」で有名なノストラダムスは、予言者であって預言者ではなく、有名な預言者といえば、モーセやイエス・キリストなどが挙げられる。
予言は予測なので的中率があるが、預言は神の言葉を伝えるものなので、的中率とは無縁である。

このような使い分け方をするようになったのは、予言には「予め(あらかじめ)」の意味があり、預言には「預かる(あずかる)」の意味があるからである。
しかし、「予」にも「あずかる」の意味、「預」にも「あらかじめ」の意味があり、予言と預言は同義で、本来は使い分けが必要な漢字ではない。

そのため、漢字の意味をよく知っている人ほど、予言と預言の使い分けを間違えやすいが、現代文で「予かる」や「預め」と書くことはないため、一般的に使われる意味の違いで、予言と預言の使い分けを覚えておくとよい。

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