俳句と川柳は、共に五・七・五の十七音を定型とした短詩で、江戸時代に連歌から分岐し、娯楽性・遊戯性を高めた俳諧連歌から生まれたものである。
俳句と川柳の違いとして、季語、切れ字、文語・口語といった形式の違いが挙げられる。
俳句には季語が必要だが、川柳に季語は必要ない。
俳句には「や」「かな」「けり」などの切れ字が必要だが、川柳に切れ字は必要ない。
俳句は主に文語表現を用い、川柳は主に口語表現が用いられる。
ただし、上記は基本的な形式の違いで、俳句の中には定型や季題にとらわれず、切れ字や文語で表現しない自由律俳句・無季俳句もある。
俳句と川柳では内容も異なり、俳句は四季や自然の描写を通し、心象などを表現する。
川柳は世相や風俗、歴史、人事などを面白おかしく指摘したり、風刺的に描写するのが特徴である。
そのため、同じ情景から生まれた作品でも、表現される内容に違いが出てくる。
このような違いは、俳句と川柳の成り立ちの違いによるものである。
俳句は、俳諧の発句(第一句)が独立したものであるため、発句に必要な季語や切れ字が重要となる。
川柳は、俳諧連歌の付け句が独立したものである。
付け句は、下の句(七・七)をお題にし、それに合う気の利いた付け句(五・七・五)を考えるという遊びだが、下の句がなくても面白おかしく作れることに気づき生まれのが川柳であるため、社会風刺などが題材とされる。