問題と課題の違いは、「解答を求める問い」か「課する(課せられる)テーマ」かの違い。
試験問題や数学の問題などは、解答を求める問いであるが、課題図書やレポートの課題は、課せられたテーマである。
先生から生徒に答えを求めるのは、「問題」である。
授業中に解答が出せず、翌日の授業に持ち越された場合、「この問題は明日までの課題にしよう」などという。
これは、「問題」が「課題」に変わったのではなく、問いそのものは「問題」のままで、「明日までに答えを出しましょう」と課せられた問題(テーマ)という意味で「課題」というのである。
少子化・高齢化・地球温暖化・格差など、社会や経済で使われる「問題」と「課題」の違いは、解決すべき事柄か、問題解決のために取り組むべき事柄として掲げられるものの違いである。
ここでの問題(解決すべき事柄)は、トラブルに限らず、目標に達していないなど、あるべき姿と現状とのギャップをいう。
たとえば、会社の売上が減っていれば、会社として解決しなければならない事柄なので「問題」である。
売上減少の原因が、質の低下による客離れであったとすれば、質の改善をしていくことが「課題」となる。
質を改善するためには、「コスト」という新たな「問題」も出てくる。
この場合は、売上減少が「問題」、その対策として取り組む質の改善が「課題」、質の改善という課題の中にコストという「問題」があり、コスト問題の対策として取り組むコスト削減が「課題」である。
常に「問題」が先にあり、その問題に対して取り組んでいこうと掲げられることが「課題」となる。