「寂しい」は客観的な情景を表し、「淋しい」は主観的な悲しい気持ちを表すなど、意味によって使い分けが必要と言われることがある。
しかし、上記のような使い分けは、人それぞれが持つ漢字のイメージによるもので、「寂しい」と「淋しい」の使い分け方が明確になっているわけではないため、意味によって使い分けしても、それが相手に伝わるとは限らない。
「さみしい」は「さびしい」が音変化したもので、読みによる意味の違いもない。
そのため、読み方によって「寂しい」と「淋しい」が使い分けられることもない。
「寂しい」と「淋しい」の決定的な違いは、常用漢字か表外漢字の違いである。
公用文・教科書・新聞などでは、常用漢字の「寂しい」が使われ、表外漢字の「淋しい」は使われない。
ただし、「淋しい」も古くから使われている表記で、現在も一般にはよく使われている。