「暖かい」と「温かい」の使い分け方は、「暑い」と「熱い」の使い分けと似ている。
気温や気候が、寒すぎず暑すぎもせず、程よいさまを表す際には「暖かい」と書く。
物の温度や体温が、冷たすぎず熱すぎもせず、程よいさまを表す際には「温かい」と書く。
つまり、体全体で感じることには「暖かい」を使い、対義語は「寒い」。
手や舌など体の部分や、心で感じることには「温かい」を使い、対義語は「冷たい」になるのである。
「あたたかいもてなし」や「あたたかい眼差し」のように、愛情や思いやりなどがあって感じがよいことを表す「あたたかい」は、「心」のあたたかさをいうため「温かい」を使い、熟語では「温情」や「温和」が当てはまる。
「暖かいもてなし」「暖かい眼差し」の反対表現は、「冷たいもてなし」や「冷たい眼差し」になる。
赤色・黄色・オレンジ色などをいう時の「あたたかい色」は、視覚から体全体があたたまる印象を受けるものなので、「暖かい色」と書き、対義語は「寒い色」。
熟語では「暖色」、対義語は「寒色」である。
「懐があたたかい」のように、金銭が十分にあることを表す「あたたかい」も、経済的に豊かで体全体があたたまるようなことをいうため、「暖かい」と書き、反対は「懐が寒い」になる。