下駄は、木製の台に3つの穴を開け、鼻緒をすげた履物の総称。
台部に2本の歯がついたものが多いが、台部に歯を造作しないぽっくりや、土踏まずの辺りだけをくり抜いた右近などもあり、必ず下駄に歯があるとは限らない。
草履は、歯がなく、底が平らで、鼻緒をすげた履物。
昔は、藁や竹皮などを編んだものであったが、現代では、合皮・革・布・ビニール・コルク・ゴムなどでも作られ、種類が多い。
雪駄は、竹皮草履(畳表)の裏に革を張り付けたもので、千利休の創意したものと伝えられる。
のちに、水気が染み透らないよう、かかと部分に金具が付けられ、金物の音をカチカチと鳴らして歩くのが粋といわれた。
雪駄は草履の一種であるため、雪駄を草履と呼んでも間違いではないが、草履が雪駄であるとは限らない。
草履と雪駄の違いは、表と裏の間に挟まれる「重ね芯」の枚数で、雪駄は重ね芯が1の3(つま先部分1枚、かかと部分3枚)以下のものである。
また、雪駄の多くは、底のかかと部分に金具が付いているため、重ね芯の枚数と金具の有無で草履と雪駄が区別される。
わらじ(草鞋)は、藁で足型に編んだ履物で、藁草履と混同されることも多いが、形状や使用目的が異なるものである。
草履は、サンダルのような形状で鼻緒が付いているだけなので、長距離の歩行には適していない。
わらじは、つま先にある2本の藁緒を、左右の縁にある「乳(ち)」と呼ばれる小さな輪や、かかとから出る「かえし」と呼ばれる長い輪に通し、足首を縛り付けて固定できる形状となっており、長距離歩行に使用された履物である。