タールもニコチンもタバコに含まれる有害物質であるが、その性質は異なる。
タールはタバコを吸った時にフィルターや歯を茶色くする粘着性のもので、いわゆる「ヤニ」のこと。
タールには、数百種類の発がん性物質が含まれており、タバコを吸い続けているとガンのリスクが高まるといわれる。
ニコチンには発がん性物質が含まれていないが、神経系に対する毒性が非常に強い猛毒で、中枢神経興奮・抑制作用・血管収縮・心拍数増加などを引き起こす作用があり、心拍数や血圧の上昇、動脈硬化のリスクが高まる。
「ニコチン中毒」と言うようにニコチンは依存性物質で、タバコがやめられない主な原因はニコチンによるものである。
タバコに含まれ、体に悪影響を及ぼす物質には、タールやニコチンの他に「一酸化炭素」もある。
血液中の酸素はヘモグロビンと結びついて全身に運ばれるが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結び付きやすい性質を持っているため、一酸化炭素があると酸素がヘモグロビンと結びつくことができず、全身に酸素が行き渡らなくなってしまう。
そのため、喫煙者は慢性的な酸素欠乏状態となり、赤血球が増えて動脈硬化のリスクが高まるといわれる。