ゆっくりとのんびりは、「ゆっくり歩く」と「のんびり歩く」のように急がないさまや、「ゆっくり過ごす」と「のんびり過ごす」のように気楽なさまの意味では共通して使える。
しかし、ゆっくりは何かしら基準となるものがあり、それに対して急がないさまや気楽なさまを表すが、のんびりは基準とは関係ないところで、急がないさまや気楽なさまを表すため、共通して使えないこともある。
ゆっくりは、時間をかけて動作・運動が行われるさまや、時間・空間・気持ちにゆとりがあるさまをいい、基準に対して遅いことや余裕があることをいう。
のんびりは、心身がゆったりと落ち着いてるさま、制約を受けずに心の向くまま行動するさまをいう。
「ゆっくり腰を上げる」のように動作が遅いさまや、「ゆっくり座れる」のように空間に余裕があるさまを表す場合、基準となる時間や空間に対して、遅かったり、余裕があることをいうため「のんびり」は使えない。
こせこせしていないことをいう「のんびりとした性格」や、のどかなさまを表す「のんびりした風景」などを、「ゆっくり」に言い換えることはできない。
これは何かの基準に対してどうあるかではなく、「落ち着き」という精神的なことに重点が置かれているためである。