「砂丘」と「砂漠」


砂丘は砂漠の中で盛り上がったところを指すと思っている人もいるが、必ずしも砂丘が砂漠にある訳ではなく、砂丘と砂漠は全く異なるものである。

砂丘は、風によって運ばれた砂が堆積してできた丘状の地形のこと。
砂漠は、降雨量が極端に少なく、岩石や砂礫からなる広大な荒地のこと。
つまり、砂丘が「地形」を指すのに対し、砂漠は気候を含む「土地」を指す。

砂漠は降雨量よりも蒸発量の方が多いため、植物がほとんど生育せず、人間の活動も極端に制限される。
砂漠といえば、ラクダが歩いている一面砂地の写真が多く使われ、「砂」と表記することから、砂砂漠のイメージも強いが、世界の砂漠の大半を占めるのは、岩石や砂礫が露出した岩石砂漠である。

日本で唯一砂漠のある都道府県は、鳥取県ではなく東京都。
伊豆大島の表砂漠、裏砂漠、奥山砂漠で、国土地理院の地図にも「砂漠」として載っている。
しかし、降雨量が少ないことからできたものではなく、度重なる三原山の噴火により、火山灰や砂礫で覆われたため荒地になったところなので、厳密には砂漠ではない。

砂丘はできた場所によって、海岸砂丘、河畔砂丘、湖畔砂丘に分けられ、日本三大砂丘の鳥取砂丘(鳥取県)、吹上浜砂丘(鹿児島県)、中田島砂丘(静岡県)は、いずれも海岸砂丘である。

中でも、鳥取砂丘は日本最大級の砂丘として有名だが、日本一広大な面積の砂丘は、鳥取砂丘ではなく青森県の猿ヶ森砂丘。
日本一の猿ヶ森砂丘があまり有名でないのは、砂丘の中に防衛省の弾道試験場があり、一般人の立ち入りが制限されているためである。

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