「にわかファン」と「ミーハーなファン」


スポーツや音楽のファンの中には、「にわかファン」や「ミーハー」と呼ばれる人たちがいる。
無知であるにもかからわず知ったかぶりをする人や、本質的な部分の良さを知らずにファンを公言したりする人を揶揄する際に共通して使われるが、これらは派生した意味の使われ方であり、本来の意味には違いがある。

にわかファンの「にわか」は、物事が急に起こるさまや、一時的であるさまを意味する言葉で、それまで全く興味を持っていなかったのに、何かをきっかけに突然ファンになる人のことを「にわかファン」という。
また、突然降ってきて突然やむ雨を「にわか雨」というように、急に盛り上がりすぐに冷めるファンという意味でも「にわかファン」は使われる。

ミーハーの意味は、流行りもの飛びついて熱中しやすい人のことで、「ミーハーなファン」といえば、流行に乗ってファンになっている人をいう。

つまり、にわかファンは「突然ファンになった人」「熱しやすく冷めやすいファン」という、時間的なことを表した言葉。
ミーハーなファンは「流行に乗ったファン」という、きっかけの部分を表した言葉という点に違いがある。

「にわかファン」の中には、流行に乗って突然ファンになった人もいる。
そのような人は「ミーハーなファン」と同じだが、必ずしも「にわかファン」だからといって流行に乗った人とは限らない。

たとえば、オリンピックで日本代表選挙が戦っている姿を見て、以前から熱烈だったかのように応援し始める人がいる。
同じ日本人として応援したくなるというのは当然の心理であり、流行に乗ったというわけではない。
しかし、それまで興味がなかったので、熱心に応援する割には無知である。
そのため、にわかファンもミーハーなファンのように、流行に乗っただけの人に見えるのである。

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