「アシカ」「アザラシ」「セイウチ」


アシカとアザラシとセイウチは、いずれもヒレのような脚を持っていることから「鰭脚類(鰭脚目)」に分類される海生哺乳類である。
同じ鰭脚類でも、アシカはアシカ科、アザラシはアザラシ科、セイウチはセイウチ科で、下位分類では別の種族に属している。
アシカ科には、オットセイ・トド・オタリアなども含まれる。

鰭脚類の中でも、セイウチには大きな牙があるため、アシカやアザラシと見分けやすい。
牙の長さは、メスで20~40cm、オスは30~100cmある。
また、アシカやアザラシの毛皮は硬い剛毛だが、セイウチはまばらな剛毛があるものの、成熟すると毛がなくなる。

アシカとアザラシは一見似ているが、異なる点がいくつかあり、さほど見分けることは難しくない。
アシカには小さな耳殻(耳たぶ)があるが、アザラシには耳殻がなく、小さな孔が開いているだけである。
アシカの前脚は長いヒレ状だが、アザラシの前脚は短く五本指があり、手のような形をしている。

アシカは前後の脚で体を支える力があるが、アザラシは前脚で体を支えることができないため、陸上で上体起こしていればアシカである。
アシカは陸上を歩行する際、後脚を前に折り曲げ、前後の脚を使って前進するが、アザラシの脚は基本的に水中を泳ぐためのもので、後脚は後方に向いているため、前脚だけを使い腹這い状態で陸上を前進する。
アシカの泳ぎ方は、前脚を使い鳥が羽ばたくような動作で泳ぐが、アザラシは魚が尾びれを振って泳ぐように後脚を振って泳ぐ。

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