浮気も不倫も、パートナーがありながら他の異性にひかれ関係をもつことをいう。両者に厳密な意味の違いはないが、一般的には次のような区別がされている。
不倫は結婚している場合のみ使い、浮気は婚姻の有無は問わず、恋人関係であっても使う。
不倫は肉体関係がある場合に使い、浮気は肉体関係がなくても使う。
不倫は継続的な関係のみ使い、浮気は一時的な関係であっても使う。
「軽い遊びのつもり」という意味で「軽い浮気のつもり」とは言うが、「軽い不倫のつもり」とは言わない。
不倫の使われる範囲が限定的であるのに対し、浮気は広い意味で使われていることが分かる。
このような区別は、それぞれの言葉本来の意味が関係している。
不倫の「倫」は、倫理の「倫」と同じ「人の守るべき道」という意味で、不倫は「人の道にそむく」というのが本来の意味。
古くは、道徳に外れることを広く意味したが、戦前から「道徳的に許されない恋愛」の意味でも使われ始めた。
道徳に外れる行為は「重い罪をおかすこと」という認識があるため、不倫は婚姻関係にありながら、他の異性と継続的な肉体関係を続けるという、浮気よりも限定的な意味で使われる。
一方の浮気は、「心が浮ついて移りやすいこと」の意味で、「行為」よりも「気持ちの動き」が中心となる。
不倫のように道徳的な意味も含まないため、婚姻の有無や肉体関係の有無、関係をもった期間などは重視されず、気持ちが一瞬他へ移っただけでも使われる。
また、「他の店に浮気してた」といった表現もされるように、男女関係に限らず使われる言葉である。