「生誕」と「誕生」


生誕と誕生は、どちらも「生まれること」を表す言葉であるが、使われる対象や場面に違いがある。

誕生は「生まれること」を表す最も一般的な言葉で、人に限らず動物にも用いられる。
人や動物が生まれた日を表す「誕生日」、「新会社誕生」「新商品誕生」といった組織や製品、「新校舎誕生」などの建物や場所、「カップルの誕生」といった状態など、「新しく生まれる(できる)」という意味で幅広く使われる。

生誕は動物や事物には用いられず、人に限って用いられる言葉。
特に、偉人に対して使用されることが多い。

一般的に偉人は亡くなっている人を指すため、誕生は生きている人に使い、生誕は既に亡くなっている人に使う、という区別をされることもある。
しかし、偉人の生まれを祝う祭りは、「誕生祭」とも「生誕祭」とも呼ばれるように、既に亡くなった人に対して「誕生」が使えない訳ではない。
また、生誕を用いる対象が偉人ではなければ、既に亡くなっている人でも不自然な印象を与える。

生誕や誕生の類義語には、「降誕」「出生」がある。
降誕は、神聖視される神仏・君主・聖人・高僧などが、この世に生まれ出る意味で用いられる。
出生は、人や動物が生まれることをいう。
「出世届」や「出生率」のように、出生は事務的な場面で用いられることが多く、生まれた土地や境遇・家柄などを表す際にも用いられる。

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