空想も夢想も妄想も幻想も、すべて想像の一種だが、これらには次のような違いがある。
想像とは、実際に体験したり、見たりしていない事柄を思い描くこと。
「想像通りの結果となった」というように、その内容が、現実的に起こり得ることや、存在し得ることに使う場合が多く、空想・夢想・妄想・幻想のように、非現実的な事柄には使われにくい。
空想と夢想は、どちらも現実からかけ離れた事柄や場面を思い描くことをいうが、空想は自ら意識的に思い描く場合に用い、夢想は夢のように当てもない内容で、将来の夢や希望といった憧れを含む場合に用いる。
古くは、夢の中に神仏が現れ、お告げをすることを「夢想」といった。
妄想とは、根拠もなくあれこれと想像すること。
空想や夢想も非現実的な想像であるが、妄想は不道徳・不健全な欲求で想像することや、「誇大妄想」や「被害妄想」など、根拠のない想像であるにもかかわらず、事実であるかのように確信してしまうことにいう。
後者の事実と確信してしまう妄想は、精神疾患や薬物中毒などによって生じるもので、空想や夢想の想像とは大きく異なる。
幻想とは、現実にないことをあるかのように思い浮かべること。
無意識的に思い浮かべ、現実との区別がつかなくなる点では妄想と似ているが、「幻想を抱く」「女性に対する幻想」というように、幻想は「期待」の意味を含んで使われる。