「降雪量(降雪の深さ)」と「積雪量(積雪の深さ)」は、どちらも降り積もった雪の量を表すが、降雪は「雪が降ること」の意味が中心、積雪は「降った雪が積もること」が中心にあり、降雪量と積雪量では基準が異なる。
降雪量は、「10時から12時にかけて2時間の降雪量」というように、1時間、2時間など、ある時間内に降り積もった雪の深さ。
積雪量は、「12時時点の積雪量」というように、自然な状態で降り積もった、ある時点での雪の深さを表す。
10時から雪が降り始めたのであれば、10時から12時までの降雪量と12時時点の積雪量は同じになるが、前日から雪が降り始め、既に10時の時点で積もっていたとすれば、10時から12時までの降雪量よりも、12時時点の積雪量の方が多くなる。
ただし、上記は単純計算した場合の比較で、積雪は、重みで沈んだり、解けたりするため、累積降雪量と積雪量が一致するとは限らない。
天気予報で「積雪あり」とされる基準は、観測所の周辺地面の半分以上が雪で覆われた状態で、半分以上を覆っていない場合は「積雪なし」となる。
「積雪0cm」と発表されるのは、雪はそれほど積もっていないが、地面の半分以上が雪で覆われた状態であることを表している。
降雪量は、一定時間毎に積雪量の差を求め、積雪差の正の値の合計で表される。
10時の時点で1cmの積雪があったとし、11時の時点で3cmになっていれば、10時から11時までの降雪量は2cmである。
これが、12時の時点で2cmの積雪になっていたら、11時から12時まではマイナス1cmだが、差に使われるのは正の値のみであるため、11時から12時までの降雪は無いことになり、10時から12時までの降雪量は2cmとなる。
なお、降雪と積雪は、雪だけでなく、霰(あられ)や雹(ひょう)といった固形降水も含まれる。
着雪は、雪が電線や木などに付着する現象を意味する。
湿った雪が付着し、送電線や船体などに被害が起こる可能性がある時には、「着雪注意報」が発表される。
降雪や積雪とは異なり、計測するものではないため、「着雪量」が発表されることもない。