出生地は生まれた土地のことで、戸籍謄本に記され、法律的にも明確なものである。
出身地の解釈には、生まれた土地、生まれ育った土地、育った土地の3パターンあり、生まれも育ちも同じ土地であれば、出生地と出身地は同じになるが、親が転勤を繰り返していたなど、住む場所が転々としていた場合は、定義の仕方によって出身地が変わってくる。
「〇〇大学出身」など、その学校や団体から出ていることにも「出身」が使われるように、出身地には、その土地で育まれた、その土地の風土の影響を強く受けたという意味が強いため、子供の頃に一番長く住んだ場所、人格形成に強く影響を与えた土地を指すことが多い。
国土交通省の出身地の定義では、「生まれてから15歳までの間、一番長く過ごした場所」と書かれたサイトが多く見られる。
この定義の出所は明確ではないが、大半の人が親と一緒に住み、人格形成される時期と考えた場合は、生まれてから15歳までになるため、この定義を使うのが一番便利である。
ただし、中学卒業時に住んでいた土地と、長く住んでいた場所が異なる場合は、話が面倒になるため、中学を卒業した土地を「出身地」とする人も多い。
出身地には生まれた土地の意味もあり、「〇〇生まれ、△△出身」と言うと違和感を生じるため、出生地と育った場所が異なる場合は、普通、「〇〇生まれ、△△育ち」という。
地元はその人が住んでいる土地や、その人の勢力範囲である地域を意味する。
政治家などが勢力基盤となっている出身地に帰る場合に、「地元へ帰る」と言うのは正しいが、単に、実家のある生まれ育った土地に帰ることを「地元へ帰る」と言うのは本来誤りで、「故郷へ帰る」と言うのが正しい。
住んでいる土地から離れて暮らすことを「地元を出る」といい、生まれ育った土地に帰ることは、出た場所に帰ることになるため、故郷へ帰ることを「地元へ帰る」と言うようになったと思われる。
誤った表現も、使い続けられると正しい表現として扱われることもあるため、今後、生まれ育った土地の意味が「地元」に含まれる可能性はある。
故郷も生まれ育った土地を意味するが、現在はよその土地に移り住んでいる人が、生まれ育った土地をいう場合に用いる表現である。
生まれ育った土地と、現在住んでいる場所が同じ場合は、「地元」か「出身地」が多く使われる。