整理と整頓は、乱れたものを整えるという共通した意味をもち、ひとまとめに「整理整頓」と使われることが多いが、「整頓整理」とは言わない。
散らかったものを整える時の順序も、整理の後に整頓した方が良いことが、意味の違いからわかる。
整理は、乱れた状態にあるものを整えること、不要なものを取り除くことを意味する。
整理の「理」は、道理や理論などに使われる字で、「物事の筋道」という意味があり、筋道に沿うよう整えるのが「整理」である。
整頓も、整った状態にする、かたづけることを意味するが、整理のように不要なものを取り除くという意味はない。
整頓の「頓」も「整える」という意味で、とにかく整えること、正しい位置にきちんと置くのが「整頓」である。
無駄なものを捨てる「整理」をした後、正しい位置に置く「整頓」をするので、「整理整頓」の順となる。
交通整理の「整理」は、不要なものを捨てるという意味ではないが、混乱したものを整えることを表す。
人や車が秩序を持って行き交えるよう整えるため「交通整理」と言うのであり、秩序正しい位置に置くものではないため「交通整頓」とは言わないのである。
「机の上を…する」という際は、整理も整頓も使うが、整え方に違いがある。
「机の上を整理する」は、不要な物を捨て、使いやすいよう規則を考えて整えること。
「机の上を整頓する」は、配置の規則を決め、その配置規則に沿って整えることを意味する。
整理された机の上は、机の上を使いやすいように整えたものなので、必ずしも整頓された状態とは限らず、他人の目からは散らかっているように映ることもある。
また、整頓された机の上は、綺麗に配置されているが、使いやすいよう整えられているとは限らない。
整理整頓された状態であれば、使いやすく綺麗に配置された状態を表すことになる。