観賞の「観」は「観光」や「観測」などに用いられるように、見る(観る)の意味があり、観賞は見て楽しむことを意味する。
「植物観賞」や「観賞魚」など、主に、動植物や景色など自然に関することに用いられる。
鑑賞の「鑑」、「鑑定」や「鑑別」などに用いられるように、良く見て品定めをするという意味があり、鑑賞は芸術作品などを理解し、味わうことの意味である。
「音楽鑑賞」や「絵画鑑賞」、「詩を鑑賞する」というように、芸術作品全般に用いられる。
映画の場合、娯楽映画は見て楽しむものなので「映画観賞」、芸術映画であれば「映画鑑賞」と書く。
芝居も、コメディーであれば「観賞」、文芸作品であれば「鑑賞」と書く。
しかし、人生を考えさせられる娯楽映画、芸術的なコメディーもあり、芸能の分野で「観賞」と「鑑賞」を明確に使い分けることは難しく、見た人の感覚によって異なるものである。
また、芸術作品の展示では、ふつう「鑑賞」を使うが、気楽に見て楽しんで欲しいという意図から、「観賞」が使われるケースも多くある。