「穴」と「孔」


「孔」を「あな」と訓読みするのは常用漢字表外であるため、一般的に「孔」は「こう」と音読みし、「あな」には「穴」を用いるが、意味を強調する時には「穴」ではなく「孔」を用いることもある。

窪んだあなには「穴」、突き抜けたあなには「孔」を使うともいわれるが、貫通したあなにも「穴」は使い、窪みにも「孔」は使うので、この使い分け方は間違い。

「孔」は、「眼孔」「鼻孔」「気孔」「排気孔(排気口)」などで用いられるように、何かが通るあな。特に、人間以外のものが通る比較的小さいあなを表す。
「針のあな」は通常「針の穴」と書くが、糸が細い穴の中を通ることを強調する場合には「針の孔」と書くのである。

比較的大きいあなを表す場合、何を使うかといえば「坑」である。
ただし、「炭坑」や「坑道」など、「坑」は資源を取り出すために掘られたあなの意味で用いることがほとんどで、たいていの場合は「穴」と表記される。

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