修正と訂正は、共に改め直すことを意味するが、使える範囲や印象に違いがある。
修正は、間違いや不十分と思われる箇所を改め直すことで、直す対象に必ずしも間違いがあるとは限らない。
訂正は、誤りを正しく直すことで、対象に必ず間違いがある。
自分が誤っていた場合は、「修正いたします」と言っても「訂正いたします」と言っても、意味は同じである。
相手が誤っていた場合も、「修正してください」「訂正してください」のどちらを使っても、意味は同じである。
しかし、訂正は誤りがあることが前提の言葉であるため、自分が誤っていた場合は、「修正いたします」よりも「訂正いたします」と言ったほうが、誤りを素直に認めている印象を与え、謝罪の意思も感じられる表現となる。
相手が誤っていた場合は、「修正してください」よりも「訂正してください」と言ったほうが、「間違っているから直しなさい」という上から目線の印象を与える表現となる。
また、「軌道修正」とは言うが「軌道訂正」とは言わないように、修正は文章や誤字のほか、意見・考え・方向などを直すことにも用いられるが、訂正は特に文章・誤字・発言などの誤りを正しくすることに用いられる言葉である。