「長い」と「永い」


ながいの漢字「長い」と「永い」の使い分けは、まず、時間のことなのか、時間以外のことなのかで分けられる。

「長い髪」「長い道」など、空間的に端から端までの隔たりが大きいことや、「気が長い」「長い目で見る」「息の長い」など、抽象的な表現には「長い」を用いる。
「短い」の対義語は「長い」で、一般的な表記は「長い」である。

「長年」と「永年」、「長い年月」と「永い年月」、「長らく」と「永らく」など、時間的な表現にはどちらも使うが、「長い」は単にながい時間を表し、「永い」はいつまでも続く永続的・永遠的なことを表す。
なお、永年は「えいねん」とも読み、「永年勤続」というように用いられる。

「永い」は永続的な表現となることから、「末長いお付き合い」と書くよりも、「末永いお付き合い」と書いた方が、いつまでもお付き合いしたいという印象を与える。
また、永遠的なことを表すため、「永い眠りにつく」など、死に関する表現でも「永い」は用いられる。

春の季語の「ひなが」と、秋の季語である「よなが」は、同じような時間の長さを表す言葉だが、春は「春の日永」、秋は「秋の夜長」というように、慣用として使い分けが決まっているものもある。

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