「始末書」と「顛末書」


業務などでミスや不祥事を犯した者が提出する文書に「始末書」や「顛末書」があるが、これらは提出の目的や書く内容、企業が従業員に対して提出させる強制力に違いがある。

始末書は、過失や規約違反などの事実関係を明らかにするとともに謝罪し、再発させないことを誓約する書類。
顛末書は、過失や規約違反などの事実関係を明らかにする書類である。

顛末書は報告書に近いもので、主な目的は事の成り行きを明らかにすることであるため、一部始終を詳細に書く必要がある。
始末書は反省文や謝罪文に近いもので、主な目的は謝罪にあるため、顛末書のように事の成り行きは詳細に書かず、簡略化される傾向にある。

企業がミスを犯した従業員に対し、事の顛末を報告させることは当然のことであり、再発防止や更なるトラブル回避のためにも、業務命令として顛末書を書かせることができる、強制力をもったものである。
従業員が顛末書の提出を拒否した場合は、就業規則に明記されている範囲で違反処分することも可能である。

一方、始末書は企業が従業員に対して提出を求めることはできるが、強制的に書かせることは避けた方がよい。
これは、憲法第19条の「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」に反する恐れがあるからだ。
始末書の主な目的は「謝罪」にあるため、始末書の提出を強制することは、反省や謝罪の意思を強要したと受け取られる可能性がある。
陳謝の意の表明を強制した程度であれば、思想及び良心の自由を侵したとはならないが、場合によっては憲法違反になり得ることなので、トラブル回避のためにも、始末書の強制は避けた方がよいのである。

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