「追求」「追及」「追究」


追求と追及と追究は、いずれも「ついきゅう」と読み、追いかけるという点では共通するが、意味は大きく異なる。

追求とは、目的のものを手に入れるために、どこまでも追い求めること。
追求の「求」は、求めること・手に入れようとすることの意味で、「利益の追求」「幸福の追求」などと使う。

追及とは、どこまでも追い詰めて責任や欠点を問いただすこと。また、後から追いかけて追いつくこと。
追及の「及」の字は、逃げる人の背に手が届いたさまを示した漢字で、追いかけ、追い詰めることを表す。
相手を問いただしたり責める意味での使用が多く、「余罪を追及する」「責任の所在を追及する」などと用いる。
追いかける意味では、「逃げる相手を追及する」「後続走者の追及を振り切る」などと使う。

追究とは、不明なこと・未知のものを、どこまでも深く調べて明らかにしようとすること。
追究の「究」は、極める・奥深くに入り込むという意味で、「研究」という熟語でも使われているとおり、調べる・明らかにすることを表す。
「真理を追究する」「美を追究する」などと使う。

「幸福のついきゅう」には、ふつう、幸福を手に入れようとする意味で「追求」を使うが、幸福というものの本質などを明らかにする意味であれば、「追究」も使える。
また、「事故の原因をついきゅうする」という場合、相手に原因を問いただす意味であれば「追及」、具体的な原因を明らかにする意味であれば「追究」を用いる。

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