「トリ」と「大トリ」


トリは、寄席で最後に出演する人をいう寄席用語。
語源は「取り」で、最後の演者がギャラをまとめて受け取り、出演する芸人達に分配することから生まれた言葉である。
現在では、ギャラの受け取りに関係なく、最後の演者をいい、寄席以外でも用いられている。

大トリも最後の出演者を意味するが、最後の出演者が二組以上いる際に使われる言葉で、寄席では使われない。
NHKの紅白歌合戦では、紅組で最後となる出演者と白組で最後となる出演者がいるため、紅白のそれぞれにトリが存在する。
そのどちらか一方が、番組としての最後の出演者で、最後の中でも最後になることから、「大」を冠して「大トリ」と呼ぶようになった。
紅白以外で「大トリ」が使われるものには、数日間行われるフェスなどがあり、各日の最後の出演者は「トリ」、最終日の最後の出演者は「大トリ」となる。

2013年の紅白歌合戦では、「究極の大トリ」という言葉も生まれた。
2013年は、北島三郎が史上最多50回目の出演を誇り、2013年で紅白を引退することを表明した年。
その北島三郎が、紅組と白組の枠を超えたトリとして、紅白双方のトリが歌い終えた後に最後を飾ることから作られた、特別な表現である。

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