「床屋」と「美容室」


床屋は男性が行くところでシャンプーは前かがみ、美容室は女性が行くところでシャンプーは仰向けといったイメージがあるが、性別による区別もなければ、仰向けにシャンプーをする床屋も増えている。

床屋と美容室の違いは、理容師法と美容師法という法律による業務範囲の違いで、理容と美容の定義が異なる。
理容は、頭髪の刈込、顔剃り等の方法により容姿を整えること。
美容は、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること。

理容師の仕事は、断髪令がしかれた文明開化あたりに遡り、髪をカットして揃えるのは男性であった。
一方、女性は髪を結うのが一般的で、カットして揃えるという概念がなかった。
そのため、理容と美容に分かれ、「男性が床屋」「女性が美容室」というイメージが定着した。

顔剃りができるのが床屋、顔剃りができないのが美容室と区別するのは法律的にも間違っていない。
ただし、「化粧に付随した軽い顔剃りは行っても差し支えない」とされており、床屋と美容室の垣根はなくなりつつある。

床屋の呼称には「理容室」「理髪店」「散髪屋」などがあり、美容室には「美容院」といった呼称がある。
これらの呼称の違いは、屋号による違いだけで、特に決まったルールはない。
法律用語で理容施設をいう場合は「理容所」、美容施設は「美容所」といい、「室」「店」「院」「屋」は使われない。

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